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「介護職員処遇改善支援補助金」による賃金改善について、当社でも2月から実施することを決定しました。
2月からの処遇改善について、しまづ人事広報部長にお伺いしました。
なんと?!
介護職の給料が月額9,000円アップする?!
本当かなぁ・・・。
これは確かめるしかない!!
介護スタッフの給料が月額9,000円上がると大きくニュースになっていますが、とととと当社ももちろん対象ですよね?
え?!もう今月からなんですね。
(給与処理急がなきゃ・・・💦)
今回の賃上げは「介護職員処遇改善支援補助金」を原資としたものです。
ご存じの方も多いと思いますが、この制度は、2022年2月から9月の期間、介護職の処遇改善を図るため国費から支援補助金が支給されます。
また、10月以降も同様の措置を継続すると発表されているので、介護保険を原資として既存の「処遇改善加算制度」と似たような制度で継続されていくと思います。
ふむふむ。
2月から給料が上がるということは間違いなさそうですね。
それで、実際おいくらほど給料は上がるんですか??
エリアによって金額差がありますが、1人あたり平均増額は正社員で約7,000円、パート社員で時給41円と決定しました。
パート社員の平均労働時間は月104時間ですので、約4,300円です。
対象は介護スタッフのP職・L職(介護スタッフ・サービス提供責任者・管理者等)です。
<賃金改善額> 単位(円)
ん??
岸田首相が月9,000円と発表されていたような・・・。
そうなんです。
期待していたのですが、残念ながらそれは実現しませんでした。
なぜこうなったのか、については、ご自身で情報収集して理解されている方もいらっしゃると思いますが、説明が必要かと思います。
この表を見てください。
例の「しえんほじょきん」の仕組みですね?
んんんんー。
この表を見ても良くわかりません。
簡単に教えてください。
私はてっきり社員数×9,000円の補助金が交付されるかと思っていましたが、制度の仕組みはそうではありませんでした・・。
仕組みがとってもややこしい。ブツブツ・・・。
補助金額を決める計算式は「介護報酬×交付率」です。
介護報酬とは、事業者が要介護者又は要支援者に介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に対して支払われる報酬のことですね。
難しい。介護報酬についても理解しないといけない・・・。
つまり、入居数・利用者数が多かったり、提供サービス量が多ければ介護報酬も多くなり、連動して今回いただける補助金の額も増える、ということです。
逆に言えば、入居数やサービス量が少なければ補助金額も少ないということです。
なるほど。
日々のサービス提供から算出されるのですね。
ご利用者数やサービスの量は月々違うと思いますが、それによって補助金額は変動するということですか?
そうです。
次に交付率です。
対象サービスごとに介護職員数に応じて必要な交付率が設定されています。
訪問介護は2.1%、通所介護は1.0%、特定施設は1.4%です。
ここがとても複雑です。
介護職員数というのは今の在籍人数ではなく、人員基準の常勤換算から算出された人数のことを指しています。
人員配置基準で定められた常勤換算が10名の事業所においては10名分の補助金が支給されるようにこの交付率が設定されています。
でもほとんどの事業所は、人員基準に対して余裕をもった配置をされていますよね。
たとえば、人員基準は10名だけど、実際は13名配置しているなど。
そうなると、10名分の補助金を13名で分配した場合、1人あたりは9000円に満たなくなります。
これがとても残念!
そういうことなのですね。
日々のサービス提供(介護報酬)だけでなく、人員配置も影響するんですね。
90,000円を10人で分配すれば1人当たり9,000円だけど、13名で分配すると1人当たり6,923円・・・。
余裕をもって運営している事業所ほど1人当たりの分配額が少なくなるということですよね?!
なんだかモヤモヤします。
はい、まったく同感です・・。
在籍人数×9,000円であればシンプルだったのですが。
この仕組みでスタッフへの分配を検討した結果、当社の処遇改善は正社員約7,000円、パート社員は時給41円となったのですね。
複雑すぎて説明を聞いてもピンと来ない方もいると思いますが、透明性をもってスタッフに説明していくことは大事だと思っています。
ちなみに、対象期間8カ月間でいただける補助金は約2,400万円で見込んでいます。
それに対して、全介護スタッフの賃上げ総額は約2,800万円です。
つまり、差額分は会社負担となります。
本当ですか?
正直言うと、9,000円との差額は会社が蓄えているのでは・・・、とうっすら怪しんでいました。
でもそう思ってしまう人は多いと思います。
だって岸田首相は9,000円と言っていましたから・・。
なんだか逆に9,000円が独り歩きしてしまって、せっかくの賃上げの嬉しいニュースに水を差しているような・・・。
あと、対象が介護スタッフだけとなった理由を教えてください。
介護スタッフ以外の職種は検討されなかったのですか?!
要件では、「介護職以外のその他職員に充てても良い」とされていますが、今回は介護職のみとすることが決定しました。
理由は2点あります。
1点目は支援補助金のそもそもの目的が「介護職員の処遇改善」であること。
2点目は介護人材の採用・定着はますます難易度が高まっていくことです。
実際、介護スタッフの応募数は当社においても減少傾向です。
その他職種のスタッフの皆さま、本当にすみません。
そうですよね。
おっしゃる通り「介護職員の処遇改善」を目的として、対象社員の範囲を広げれば広げるほど分配する人数も増え、その結果賃上げ額は下がってしまう。
会社としてもできるだけ多くの社員の賃金を上げたいと思う反面、「介護職員の処遇改善」を考えこの結果になったということですね。
そのエリアごとの補助金、つまり介護報酬額に連動した結果ではあります。
さらに、その地域における賃金水準や採用難易度を加味してエリア別の金額を決定しています。
理解しました。
今回の支援補助金について色々話しましたが、国が介護職の賃上げを実現するために取り組んでくださっていることは嬉しいですね
そうですね。
それくらい社会にとって必要とされている大切な仕事なんだと実感しますね!
では介護スタッフの皆さんは2月の給与(パート社員は3月給与)から要確認ですね!
・・・ところで、この支援金とは別に、賃上げすると聞きましたが?
はい、「魅力的なキャリアパス・賃金水準の実現」を目的として、サービス提供責任者や施設長などの運営のマネジメントを担うリーダー職の賃上げを行うことも同時に決定しました。
こちらは、完全に自社財源による賃上げです。
リーダー職の賃上げについては、ひろた事業部長に詳しく聞いてみます!!
ありがとうございました!!
ひろた事業部長のインタビューはコチラ → 「リーダー職の賃上げ」について