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福岡市立特別支援学校博多高等学園を卒業し、2018年に生活支援スタッフとして入社した、アルファリビング福岡原 介護スタッフ 出口 朱音(でぐち あかね)さん。
入社後、介護職員初任者研修、実務者研修を取得し、2021年7月にパートから正社員になり活躍中です。
「自分には向いていないな」悔しさから、もっと介護の仕事を知りたいと思った
高校3年生の夏に、アルファリビング福岡原で職場体験をさせていただきました。
その後、冬に2回目の実習があったのですが、その実習は「雇用判断実習」で、自分にこの仕事ができるか、仕事内容や職場の雰囲気などを2週間体感させていただいて入社しました。
はい。
1回目は1週間、 2回目は2週間実習させていただきました。
雇用判断実習では、実際に9時から18時まで1日実習しました。
自分がどういうところで実習をしたいかを、担任の先生や進路の先生に相談して決めました。
そうなんですね。
では、実習に来る時点で介護の仕事や福祉の仕事に興味があったのですか。
高校1年生の時に、他社のグループホームで実習させていただいたんです。
実はその時、「自分には全然向いてないな」と思ったんです。
えっ!
「自分には向いてないな」と思ったのはなぜですか?
自分から職場のスタッフやご利用者にお話をすることができませんでした。
私は人見知りなので、ちょっと壁を作ってしまって。
自分からコミュニケーションを取ることができませんでした。
実習を終えて、ちょっと後悔というか・・・。
なんか悔しかったので、もう一度挑戦したいなと思いました。
上手く行かなかった後悔から、もう一度挑戦しようと思ったんですか?!
はい。
ちょっと悔しかったです。
あと、周りにも介護の仕事を希望している友達がいませんでした。
介護の職場で働くことは難しいとも思ったので、自分が挑戦したら友達にどう思われるのかなと思ったのもあります。
3年の実習でもう一度介護の職場を選んで、どんなことを頑張ろうと思っていたんですか。
最初は、ご入居者、スタッフとのコミュニケーションを自分から取るように頑張ろうと思いました。
自分からはなかなか積極的に話せずにいましたが、ホーム内の清掃をしている時にご入居者から「いつもきれいにしてくれてありがとう」と言っていただいて。
それがきっかけで会話できるようになりました。
主にはホーム内の清掃で、清掃が慣れてきてから昼食時のレストラン対応もやらせていただきました。
でも、最初は何もわからなくて。
レストラン対応をした時も、最初はずっと端の方で立っていました。
そうしたらご入居者に、「先輩が動いているのを見て、あなたも真似して動くといいよ」と言っていただいて、次の日からは「何したらいいですか」と先輩スタッフに聞いて動きました。
お茶を注いで回っていたら、ご入居者から「成長したね」と褒めていただきました。
では、実習を通して、アルファリビング福岡原に就職したいと思えたんですね?!
はい。
自分が楽しく仕事できたので、当ホームで仕事をしてみたいなと思いました。
嬉しいです。
実習ではどんな時に楽しさや嬉しさを感じましたか。
実習の間、食堂にいる時も清掃をしている時も、ご入居者から「あなた何歳?」とお声がけいただいて、そこから沢山お話しできるようになりました。
実習の最後の日に、ご入居者に「今日で最後です」と挨拶したら「あんたまたここ来るやろ?」と言っていただいて。
沢山の人に自分のことを覚えていただいたことが1番嬉しかったし、「また顔見せに来てね」とか言っていただけてとても嬉しかったです。
では、入社した時はご入居者に「戻ってきたね」と喜んでいただけたんじゃないですか?
しっかりされている方からは、「あんた実習生やろ?」と言われました。
あと、「久しぶりやね」と言っていただいて、「今日からここに入社しました」と言ったら、「あ、これからずっと顔が見れると!」と言っていただけて、本当に嬉しかったです。
できることを増やして、ご入居者に関わっていきたい
当社には生活支援スタッフとして入社されましたね。
先日実務者研修を取得されましたが、入社した時から、介護の資格は取ろうと思っていたんですか。
生活支援スタッフで入社して、最初は9:00~16:00の6時間で勤務していました。
仕事に慣れて8時間に勤務時間を延ばして、日勤だけでなく遅出や早出もさせていただくようになりましたが、生活支援スタッフとして、食堂や管内清掃でしかご入居者と関わることができませんでした。
レストラン対応の時に、他の先輩スタッフが食事介助をしているのを見て、自分も先輩スタッフの様に資格を取ってできることを増やしていけたらいいなと思うようになり、資格を取ろうと思いました。
あと、今祖母が父と二人で暮らしているんですが、家族や周りの親せきで介護の仕事をしている人もいなくて。
もし祖母に何かあった時に、介護の資格を持っていれば自分が支えることもできると思いました。
でも、初任者研修も実務者研修も無事取れて良かったです。
資格を取って、実際にサービスに入って難しかったことや嬉しかったことはありますか。
今はだいぶできるようになったのですが、おむつ交換が苦手で、教えていただいた通りにやってるつもりなのにテープがずれたりして。
最初の頃は特に、上手くいく時といかない時があって、どうやったら上手くできるのか・・・難しかったです。
嬉しかったのは、入浴介助で頭を洗う時に、「かゆくないですか」「力加減大丈夫ですか」とお声がけすると、「一番気持ちいい」とご入居者がおっしゃってくださったことです。
あと、ベッドから車いすに移乗する時に、先輩スタッフは手際良く車いすに移乗されているのに、いざ自分一人でやろうとすると全然できませんでした。
同行で見学している時は、私も同じ手順でするとできると思っていたのですが難しかったです。
その時は先輩が横について教えてくださったのですか。
はい、先輩スタッフに教えていただいて、だいぶできるようになりました。
初めて介助するときは、本当に何からしたらいいんだろう、どこに手を添えたらいいんだろうかと全く分かりませんでした。
先輩スタッフはどの介助もスムーズにされていて、本当にすごいなと思いました!
最初の頃はお薬が触れなかったのですが、食事が終わったご入居者から「お薬っていうのに、なんで持ってきてくれんと!」と言われることがけっこうありました。
お持ちしたくても私にはできなくて、そんな時にどうしたら良いか戸惑いました。
お部屋に早く帰りたいご入居者からは「まだ来んとね!」「早く連れて帰って」と言われることもあって、どう対応したら良いかわかりませんでした。
私が連れて帰ったら良かったのかなとか、どうすれば良かったのか考えたり、落ち込むこともありました。
けっこう引きずってしまう性格で。
先輩スタッフに相談したり、次の日になったらそのご入居者が「昨日はごめんね」と言ってくださることもあって、お陰で気持ちを切り替えてできています。
最初に、「人見知りなんです」とおっしゃっていましたが、今日お話しをお伺いしていて、そんな風に感じないですよ。
今はご入居者とお話しするのは大丈夫ですか?
自分から色々な人と話すようにしていますが、時々会話が止まってしまうこともあります。
そんな時、どうしようと慌ててしまうこともあるんですけど、ご入居者から「そういえばこうやったね」と言ってくださって、途切れることなく会話ができています。
当社に入社して、介護の仕事に挑戦して良かったですか?
良かったです!
体力的にキツイと感じることがあっても、ご入居者の笑顔を見たら癒されます。
以前、先輩スタッフが「しんどい時とか大変でつらい時とかあると思うけど、介護の仕事は1番やりがいのある仕事で、若いのにこんな仕事を選んだでぐちさんは本当にすごいと思う」と言ってくださって、今でも私の励みになっています。
私も思います!ご入居者の生活を毎日傍で支えて素晴らしい仕事だと思います。
6時間の生活支援スタッフから、介護スタッフへ。
雇用形態もパートから正社員になりましたね。
気持ちの変化はありますか。
最初は、正社員になることに「大丈夫かな?」と不安も感じたし、緊張もしました。
でも、自分から「正社員になりたい」と言ったので、頑張ろうと思いました。
今は、「これまで通り自分らしくやっていけば大丈夫かな?」と思えています。
ご入居者や一緒に働くスタッフ、ご家族から信頼されるようになりたいです。
そして、ご入居者に笑顔で生活していただけるようお手伝いできる介護スタッフになれたらいいなと思います。