1,261views
当社では、電子端末を利用した情報共有(ICT化)を推進しています。
皆さんの業務において1番身近なものと言えば、MCS(Medical Care System)があります。
<MCSでできることはいろいろ>
・お客様情報の確認
・各種サービス提供の記録(介護保険事業、生活支援サービス)
・申し送り
・連絡事項の共有
・勤務表の作成
・サービスシフトの作成
・各種会議議事録(担当者会議、施設内会議、行政機関協議等々)
・事故報告
・実地指導対応(記録、職員情報、勤務系遺体一覧表等資料作成)
・スタッフの情報確認(所属先・職種・保有資格等) etc・・・
MCSシステムは、ご利用者に関わる全ての情報を一元管理するために自社で開発しました。
この4月に更にバージョンアップしたMCSについて、開発・運用を担当している、事業推進部 もりしたさん、ほんださんにお話をお伺いしました。
(左:ほんださん、右:もりしたさん)
MSCの記録が以前より時間がかからなくなったとお聞きました!!
これまでも何度かバージョンアップをされていると思いますが、今回は具体的に何をされたのですか?
今回のバージョンアップは、速度改善です。
これまでボタンを一つ押したら、下手したら1時間くらいかかってしまっていました。
それを何とかできないかな?ということで、開発元のあなぶきカレッジサービスさんに依頼をして、データの仕組みをまず変えました。
あと、インフラの部分です。
社内のネットワークは、あなぶき興産グループ全部が1つになっていることで必然的に渋滞を起こしていたんです。
MCSのサーバーを外部データセンターへ移設することによって、渋滞にならないように取り組みました。
将来的に見て、例えば医療機関など外部との連携を考えると、どうしてもあなぶき興産へサーバーを置いていると複雑になる点もありました。
サーバーを移設することで、ワンクッションおいて外部の方が閲覧できる仕組みを作れば、サーバーの中に入る必要もなくなります。
私もMCSを利用する時、以前のようなジリジリが無くなったと実感しています。
ジリジリがサクサクに変わりました。
それも渋滞から脱出したからですか。
ちなみにですが・・・・。
その渋滞工事をするのには、おいくらくらい・・・かかっているんですか?
それでもMCSのこれまでの開発にかかっている費用の中では安い方です。
うぇー。
そもそもMCSの開発をするのに、おいくらくらいかかっているんですか?
(お金の話ばかりで申し訳ありません。)
一次開発でかかった費用は1,200万円です。
今回1,100万円。
その間にもバージョンアップでトータル・・・3,000~4,000万円かかっています。
えー!!
それは開発費用なので、タブレットの金額も入れると・・・。
タブレットを今回追加し、1,500万円かかりました。
今まで全エリアで160台くらいでした。
1施設5台ずつくらいです。
今回密を避けて入力作業ができるよう240台増設しました。
システムのバージョンアップについてですが、これまで何回くらいされたのですか?
渋滞の解消に取り組むことになった背景を教えてください。
速度アップについては以前から課題と感じていたんです。
もう少し前ですかね。
速度アップに加えて、データ連携を考えて取り組みたいと話していて。
優先順位をつけるとまず速度アップという話になりました。
今回の速度アップの作業ですが、簡単にできるものなのですか?
思ったよりはスムーズに進めることができました。
これはずーーーーっと、3、4年くらい言い続けていながらできていなかったことの1つでもあったんです。
これまでも課題と感じていて、あなぶきカレッジサービスさんにお願いはしていたけど、具体的な金額の提示までできていなくて。
だけど、やっぱり毎日使うスタッフ皆さんの使用環境が1番なので取り組みました。
速度がアップすることで、記録が早く付けられるようになりました。
これまでのような記録に時間がかかる、それによって残業になってしまうことがあるというような点は解消されたのではないかと感じます。
たしかに!
速度がアップすることは、単にシステムが早く動くということだけでなく、皆さんが他のサービス業務に集中できたり、残業の削減にも繋がりますね!!
ちなみにこれまでのバージョンアップでは、どんなことに取り組んで来られたのですか?
1回目は、エクセル管理をしていたサービスシフトをシステム化し、MCSに導入しました。
システム化したことで、履歴も見れるようになりました。
でもそれにも問題があって・・・。
ボタンを押して処理をすると、出来上がるまでの間に下手したら1時間とかかかってしまうようになったんです。
なんと!
渋滞の原因が1回目のシステム化だったのですか。
2回目のバージョンアップの時は、現場からのご要望を参考にして、医療機関に出すためのお客様情報のサマリ作ったりバイタルが記録できるようにしました。
1回、2回目のアップデートの時には、高松エリアの施設長や管理者にも意見をいただきながら進めました。
これまでのバージョンアップを繰り返し、いよいよ今回の速度アップ。
正直今回の開発はすごく不安でした。
1,100万円かけて、もし効果がなかったら・・・。
そうです。
事前にあなぶきカレッジサービスさんの社内や、当社でも鹿児島エリアと姫路エリアに協力いただいて、事前にテストを行ったんです。
テスト環境では上手くいったのですが、いくら上手くいってたとしてもあと30施設が乗っかった時に、「あれ?全然早くなってないやん?」ってなったらどうしようと・・・と不安でした。
ええええー。
もし、「早くないやん」ってなったらどうするつもりだったんですか?!
万が一。
いやうん、まぁ・・・。
退職かなーと思ってたけど。(笑)
いや、まぁ、そのくらいの気持ちでした。
もし環境が改善されなければ、自社開発のMCS自体を止めて、別のスピードの速いパッケージを入れることも考えないといけないと思いました。
こんな覚悟を持って挑んでおられたとは・・・知りませんでした。(笑)
内に秘めてたから誰も知らない。(笑)
お腹痛かったです。
私知ってましたよ。(笑)
もしこれで速度早くならなかったら、ホントもう・・・っておっしゃっていましたよね。
本当に深刻そうに。
もりしたさん、本当にこれにかけてるんだと思いました。
そうです、市販の物です。
市販の物を入れてカスタマイズして使うしかないかなとまでは考えていました。
今回、今できること2つ(データの仕組みを変える、インフラ整備)をやって早くならないとうことであれば、どうやっても自社のものはダメなんだと思っていました。
外のクラウドサービスを使ったパッケージをやる方が、効率がいいんじゃないかなと考えていました。
衝撃的です。
当社で開発して、手塩に掛けたMCSを諦める(手を放す)という選択肢があったとは。
これで改善しなかったら、未来永劫ワンクリックしたら1時間かかる・・・。
それではなかなか厳しいでしょう。
それでも可能性として自社開発で拡張するということもあると思うんですけど、時間は有限なので。
最後に、どんな思いでアルファリビングの環境改善を進めているか教えてください。
私は今回初めてバージョンアップに関わらせていただいて、あなぶきカレッジサービスさんとの打ち合わせも何回も参加させていただきました。
新規開発ではなく、バージョンアップでも何度も何度も打ち合わせをするんです。
一言で「早くなる」と言っていますが、そうするために方法が4つか5つくらいあって、その中で予算の関係やより良い方法を決めていくんですよね。
それまでの過程や打ち合わせ、効果まで考えて決定し経営に提案していくのは奥が深いし、単純にすごいなと思いました。
少しずつでもアルファリビング内の環境が良くなるように、改善に取り組みたいと思っています。
これらの開発は、皆さんの日々のサービス提供で得た対価(収益)で取り組むことができています。
「収益」とお金の話になると「会社はお金のことばっかり」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、この収益があってこそ環境整備や賃金改善を実現することができます。
今後、新しい施設ができたり、新しい人が入社したりする中で、MCSを使う人が増えるので、より使いやすくなるようにしたいと常に思っています。